ThinkPad X220 + Sierra Wireless MC7700 でモバイルデータ通信
ThinkPad X220 パワーアップ計画第 2 弾です。
先日の記事では Bluetooth 経由でテザリングなどと言っていましたが、WWAN カードを内蔵すれば X220 だけでモバイルデータ通信ができます。 WWAN カードが安く手に入ったので試してみました。
関連記事
用意するもの
WWAN アンテナと SIM スロットの確認
WWAN カードを買う前にお手元の X220 に WWAN アンテナと SIM スロットがあるかチェックします。
キーボードとパームレストを外し、写真のような赤と青のケーブルが 1 本ずつあればそれが WWAN アンテナです。 SIM スロットの有無はバッテリーを外すと確認できます。
SIM スロットへのカードの挿入方向ですが、写真のようにチップを裏側にして切り欠きが右手前になるように挿入します。 間違えると SIM カードが認識されません(経験済み)。
また、WWAN アンテナと SIM スロットはモデルによっては付いていないようなので、購入前にチェックした方がいいかもしれません。
参考: 愛機にWWANカードを取り付けようとした話 - たけのこのブログ
WWAN カード
X220 の純正 WWAN カードはの Ericsson F5521gw(FRU 04W3767/60Y3279)ですが、このカードは現在あまり出回っていないようでお手頃な価格のものがありませんでした。 また、F5521gw は 3G のみ対応です。
そこで今回は、公式には対応していませんが、某巨大掲示板で X220 での動作報告があり、LTE に対応している Sierra Wireless MC7700 を使いました。X61 でも動くようです。
参考: Thinkpad X61×Windows8×MC7700= ( パソコン ) - マサ’s Web Log - Yahoo!ブログ
技適マーク付きのジャンクの汎用品で 2,500 円でした。 汎用品で FRU はありませんでしたが、特に 1803 エラーも出ませんでした。
SIM カード
お好きなものを。
ボクは IIJmio のデータ通信専用の SIM(標準サイズ)を用意しました。
手順(ハード編)
※分解、改造は自己責任でどうぞ。
20 ピンマスクする。Sierra Wireless のサイトなどでカードのピンアサインを見るとわかりますが、このカードは 20 番のピンに電流が流れていないときにカードが起動します。そのため、カードを起動させるためには 20 ピンに流れる電流を何らかの方法で遮断する必要があります。
今回は 20 ピンをテープでマスクしました。ボクは部屋にあったビニールテープを使いましたが、用意できるのであれば耐熱性の高いカプトンテープなどを使った方がいいかもしれません。WWAN カードを装着する。
Wi-Fi カードの向かい側に WWAN カードを装着します。ネジは元からあると思いますが、なければ M2 x 3 mm が 1 本必要です。MAIN に赤いケーブル、AUX に青いケーブルを接続します。残った GPS 端子ですが、X220 には GPS アンテナがないので使えません。汎用の GPS アンテナを用意すれば使えるかもしれませんが詳細は不明です。
あとはパームレストとキーボードを元に戻し、用意した SIM カードを SIM スロットに差し込めば準備完了です。
手順(ソフト編)
Arch Linux の場合です。Windows は環境がないのでわかりません。
ArchWiki に ThinkPad モバイルインターネット - ArchWiki という項目がありますが、MC7700 は QMI プロトコルではなく MBIM プロトコルを使うようです*1。
普段 NetworkManager を使っている場合は、modemmanager をインストールすると必要なもろもろが一緒に入るので NetworkManager から WWAN カードが見えるようになります。 そこで APN の設定をするとあっさりつながりました。
屋内だとこんな感じです。 この時点では HSDPA(3G)でつながっていますが、しばらく待っていると LTE でつながります。
(2017/03/03 追記) LTE でつながっているときはこんな感じです。
モバイルデータ通信できるようになりましたが、今のところ家でしか使っていないせいで全く活かせていません……。
*1:この辺はよく分からないので間違ってたら教えてください。